立飛グループは現在、主に不動産や建設の事業をしていますが、その前身は立川飛行機という航空機会社でした。1922年、立川駅北口にあった広大な土地と立地の良さから立川飛行場が開設されたことから立川飛行機の歴史は始まりました。

当時、東京都中央区月島にあった工場はこの立川飛行場の完成後に立川に移転され、多くの軍用機を生産しました。戦前の立川はこの立川飛行機を始まりとして航空機に関する工場が多く建設されました。戦後は、当時のGHQの政策により航空機の製作は禁じられ、会社施設は接収されました。この後、立川飛行機は立飛企業株式会社へ社名を変更し、戦前の航空機開発技術を生かし、洗濯機やヒーター、自動車まで多くの物を生み出しました。1970年代に入り、米軍から接収されていた土地が返還され始め、それをきっかけに立飛企業株式会社は不動産業事業を始めることになります。

2012年創立88周年を迎え、立飛グループ内で経営統合が行われ、その第一弾として、2015年ららぽーと立川立飛が完成、開業しました。先月には、大型複合施設のグリーンスプリングが開業しました。ぜひ足を運んでみたいと思います。

私が立川駅からららぽーとへ向かうとき、建物に航空機という文字がよくあったのを思い出しました。調べると、株式会社ジャムコという航空機の内装の製造を主に行っている会社でした。航空機のシートから化粧室、ギャレーと呼ばれる厨房設備まで多くの内装品を設計し生産しているそうです。現在は立川市に本社があり、海外にもいくつかの拠点があります。大きな会社でとても驚きました。

先程挙げた立飛グループの様に、かつては軍用の航空機を開発していた会社が戦後非軍需産業へ転換していった会社は多くあるようです。身近な町の企業の歴史、前身を調べてみるのも面白いなと思いました。

参考                           GREENSPRINGS:https://greensprings.jp/                株式会社立飛ホールディングス:https://www.tachihi.co.jp/         株式会社ジャムコ:https://www.jamco.co.jp/ja/index.html

Photo:立川駅 長島剛 2014.6.13