新型コロナウイルスの影響で思うように普段の生活ができない今ですが、皆様どのようにお過ごしでしょうか。学生の我々にとっては、学習ができるとてもいい機会となっています。

さて、現在ながしまゼミではそれぞれの担当地域を決め、その地域の産業について調べることになり、私は大分出身なので多摩地域の市町村のことを全く知りませんでした。八王子の担当となり少し調べてみると、織物産業が盛んな歴史があったことを知りました。

見出しにも書いている「桑都(そうと)」。これは八王子の別名で、蚕の養殖に使われる桑が多く植えられていたことからこの名前が付きました。今でも、小宮・片倉城跡・鑓水などの公園には桑の木が植えられています。

また、JR八王子北口から浅間大橋までの大通りは「桑並木通り」と名付けられており、甲州街道との交差点から浅間大橋までの道には全国でも珍しく桑の木が街路樹として植えられています。名前の通り桑の並木通りですね。

桑都と言われている八王子も今では養蚕農家がとても減ってきています。2019年5月時にはたったの2軒のみになってしまいました。蚕は意外と繊細な生き物で、無農薬の綺麗な桑の葉しか食べません。開拓が進み養殖場の近くにも住宅地ができ、そこで撒いた農薬や虫よけスプレーが飛来してしまうこともあり、桑を栽培することも難しいのです。売り物にできる量の生糸を集めるための数万匹の蚕を育てるには大量の桑の葉が必要です。桑畑の面積も相当なものになり土地の確保や管理も難しく、また高齢化が進み若い人に技術の伝承ができていないことも養蚕農家の減少問題の一つです。

日本の、八王子の、綺麗な絹を守り抜くためにも、この養蚕は途絶えさせてはならない産業であると感じました。

参考:2018年Fumihiko KAJI「横浜開港と絹の道」
第2章「繊細な飼育が、良質の繭をつくる」
――桑都・八王子で養蚕の文化を今に伝える長田誠一さん

http://www.kaji.org/mono/yokohama/yh2shou.html

2019/5/23 八王子ファッション協議会
【参加者募集・6/1】八王子長田養蚕・見学会について
https://hfc-net.org/?p=259

2016/6/29 八王子市公式ホームページ 「八王子織物の歴史」https://www.city.hachioji.tokyo.jp/kankobunka/003/002/p005302.html