ながしまゼミでは、毎週のゼミで企業や自治体の方々をゲストスピーカーとしてお呼びしています。先日は、多摩市役所の方々がわざわざ多摩大学に足を運んで下さり、貴重なお話をしてくださいました。しかし、自ら足を運び、現地で質問をしたいと考えたため、質問を事前に作成し多摩市役所の企画課に行ってきました。今回の記事では、多摩市役所が考える立案プロセスを私なりに解釈して、みなさまにご紹介していこうと思います。

~市役所内の構造から~

かなりたくさんの「部」や「課」があり、市役所では多岐にわたる問題に対応していることが伺えます。今回、私は3階に位置する「企画課」を訪れました。
対応してくださった方は、企画政策部企画課の西村さんでした。(親切にインタビューを受け入れてくださり、とても話しやすかったです!!)

~ 企画やプロジェクトの立案プロセス~

市役所は企画やプロジェクトの立案をする際、市民や企業の公平性を保ちながら、市民参画型PDCAサイクルを回しているそうです。

~公平性とは~

企業の公平性とは、市役所も民間に業務を委託することがあるため、特定の企業ばかりの利益になっていないかということです。

また、市民の公平性を保つために、「広く聴く」ということを意識しているとおっしゃっていました。高齢者の問題を具体例としてあげてみると分かりやすいです。

例えば、高齢者の問題を抱えていたとします。普通は、高齢者の方々や、高齢者向けのサービスを営んでいる施設などから問題点や解決策、またはニーズを聞きだし、次のステップに進みます。

しかし、市役所では高齢者にとどまらず、幅広い層からも意見を取り入れます。このように、市民一体となって問題を解決しているのです。

~市民参画型PDCAサイクルとは~

市民参画型PDCAサイクルとは、P(plan)D(do)C(check)A(action)のサイクルを、市民と一緒に考えることです。

理由は、多摩市自治基本条例(以下の画像参照)に沿って施策していくことで、多摩市の自治を推進しながらより良いまちづくりを目指すためです。

想像しにくいので具体例を挙げると、PDCAすべての工程で市民に企画内容を投げかけ、逐次フィードバックをもらいます。そして、市民の声や意見を反映し、反応をみながら企画を進めていくことで、市民とともに考えて実行したとなるわけです。

~まとめると~

多摩市役所が企画やプロジェクトの立案をする際に意識しているポイント
・特定の企業に利益が偏っていないか
・公平性を保つために広い視野を持てているか
・多摩市自治基本条例に沿っているか
・市民の意見が反映されているか

以上の4つを意識した立案プロセスで取り組んでいる。ということになります。

~多摩市役所の考え方から学んだこと~

今回のインタビューを通して2つの考え方を会得することができました。1つ目は、広く聴くという考え方です。この考え方は、これからのフィールド調査やアンケート調査に活用することで、より万人が受け入れやすいデータを作成できると私は考えました。

2つ目は、市民に逐次投げかけるという考え方です。私は、投げかける重要性と解釈をしました。そのため、企画を考えるうえでクライアント対して、逐次確認することで、先方の意思に沿った企画により近づくのではないかと考えました。活用の仕方を考えました。

自分から現場に行くことで更なる気づきがあり、現場に行く大切さを噛み締めた一日でした。西村さん、重ねて御礼申し上げます。